バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

 

感想

ものすごい長まわしと動くカメラが印象的でした。

翌日に移るシーンでさえカットされたように見えない時間の継続を意識させるような演出をしていて画面的にはかなり作りこまれた、計算されたものでした。

そんな感じなので、のんびりゆったりといった感じの演出ではなく常にカメラか俳優が動いて画面に釘付けにさせられます。

内容は昔アメコミのバードマンとして成功し今は役者、脚本、演出で再起しようとしている役者がレイモンドカーヴァーを題材とした舞台に取り組むという話。

主人公がどのような環境にいてどのような舞台をどのように取り組んでいるのかは、その長回しの台詞で徐々に明らかになるスタイルです。

そして多重人格者が自分の中の別の人格と話をするかのように自分で自分と対話したり自分のイメージの中で空を飛んだり戦闘を夢想したりもして、イマジネーション満載といった感じ。

そのイマジネーションが主人公自身の現実と夢想の中の垣根を取り払い最後は、どっちがどうなんだろう?と思わせるような終わり方をします。

それはアート系の映画がイメージの連なりを映像にしてどう解釈していいか客にゆだねる形をとるのと根本的には同じだと思うかな。

彼の最後についてどう判断するのかは、おそらく監督や関係者の間でははっきりと決まったものがあると思うのだけど、それをあからさまに映像にはしないで観客に、ある意味投げた形になっているのです。

ゆだねられた観客は自分で好きなように判断してかまわない、というスタイル。

主役の老俳優、その娘、奥さん、愛人、競演する男優、プロデューサーみんなよく人物が作りこまれていて深い。

キャラクターの単純ではない性格が垣間見られるのは演出も含めて優れた脚本だと思いました。感想