キングスマン

 

感想

本家『007』をはじめとして、スパイ映画全般がシリアス化に向かう中、荒唐無稽でバカみたいな小道具満載な昔のスパイ映画を復活させよう!というのが、平たく言ってしまえば本作のコンセプト。

で、それが最高にうまくいっている例だと思います。

 

もはやスパイ映画というのは、ゾンビ映画同様、それ自体がパロディとして模倣される対象に成り下がっている中、ただの「あるある」で終わらせず、また「こういうスパイ映画ってあるよねww」と小馬鹿にしたりもせず、かつてのB級スパイ映画を大真面目に正攻法でやってしまう。

しかも、アクション演出やストーリーといったキモの部分については、変に誤魔化したりせず、言い訳もせず、正統にキッチリとディティールまで作りこむ。

その完成度の高さに本作の凄みがあるような気がします。

途中、スパイ映画に対するメタ的なセリフが出てきたり、スパイ映画のパロディも満載だが、『オースティン・パワーズ』みたいにただのパロディ映画で終わってない点がいいです。

 

この監督(マシュー・ヴォーン)は本気でああいうのをかっこいいと思ってやっていることが伝わってくる、まさしくスパイ映画愛が伝わってくる内容に、私はただただ感動しました。

アクションの撮り方はスタイリッシュなんだけど(余談だが、マシュー・ヴォーンはガイ・リッチーの過去作に結構携わっている人だと知って妙に納得した)、スタイルだけの映画にはなってない。

私はどちらかというと、あの不謹慎でヤケクソ気味なラスト展開含めて、タランティーノの顔がチラつきました。

要するに、「いやあ、良くないのはわかってるけど、映画好きならこういう画が観たいでしょ?(笑)」と、半笑いでニヤニヤしながら撮っている、あのオタクの顔が(笑)。

悔しいけど感服させられました。感想